記事中画像撮影:筆者
テントを張るときの悩みといえば…
テントやタープを張ったときの悩みあるあるといえば、
- ・ガイロープに足が引っ掛かってコケそうになる
- ・キャンプサイトの区画からガイロープがはみ出てしまう
- ・お隣さんにガイロープが伸びすぎないように気を遣う
- ・強い風が吹いたり、雨が降ったりするとガイロープがゆるんでいる
- ・自在金具が小さくて調整しにくい
- ・ガイロープが劣化して切れてしまった
などなど、皆さんもこんな経験あるのではないでしょうか? 少なからず筆者は、キャンプ歴15年のなかでこうした悩みに直面してきたんですよね。
救世主あらわる
そういったテント・タープにまつわる悩みを解決してくれる画期的なペグが出たと聞いて、試しに購入。
それがこちらのペグなのですが、ちょっと不思議な形をしています。
実際に使ってみた感想と合わせて、なるほど〜なギミックと使い方をご紹介。気になったところも含めて、率直にレビューしていきますよ。
アソマタス ASAP
本体長さ | 286mm |
---|---|
重量 | 41g |
アソマタスの新種ペグ「ASAP(エイサップ)」
アソマタスといえば、画期的なランタンハンガー「ハングバーガー」を筆頭に、こういうの待ってた! な新発想のものづくりが得意なブランド。
このペグの名前は、「ASAP(エイサップ)」。自在金具不要で、ガイロープの張り具合を調整できるという新発想のペグとのこと。
エイサップってどういう意味なんだろうな〜と思ったら、Assist Speedy Adjust Peg(素早い調整を支援するペグ)と、As Soon As Possible(可能な限り早く)が由来なんだとか。
でも一体どうやって使うの? って思いますよね。筆者も最初はピンとこず……。
まずは見た方が早いので、こちらをご覧ください。
ASAPの使いかた
使いかた
- 1、ペグ上部の三角マークをポールに向けて、斜めのマークまで、ペグダウンする
- 2、下の凹凸にロープを通して、上にぎゅっと食い込ませる
- 3、上の凹凸にロープを通して、下にぎゅっと食い込ませて固定する
どうですこれ、かなり革新的なギミックじゃないですか!?
【ぶっちゃけどう?】ASAPの基本スペック
その秘密は形にあり
ASAPの凹凸部分は、洗濯板のような山型の段差が続いています。
この部分こそが自在金具の機能を実現している、というわけなんです。
なんでも、ブッシュクラフトやクライミングなどで用いられるロープの屈折による摩擦力を応用していて、通常の自在金具よりもゆるみにくい特長があります。
さらに、簡単にガイロープの張り具合を調整することもできるそう。
ガイロープを二重に巻き付けるとより強力になるとのこと。
見慣れない機能ですが、一度コツを掴んでしまえば、簡単にセット&調整できました。
軽くて強い素材
重さは1本あたり約41g。同等の長さの鉄製ペグは1本180~200gほどなので、約4分の1の軽さです。
たくさん持っていっても重たくならないところもよき。
長さは、全長約286mm。スノーピークの「ソリッドステーク30」とほぼ同じくらいの長さです。
素材は、リサイクル再生樹脂とガラス繊維ナイロンを組み合わせたもの。
調べてみたところ、車のパーツやルーフキャリアなどにも使われる素材で「軽くて強い」特長があるそう。さらに、金属の代替素材として採用される場合もあるとのこと。
ASAPはただ軽いだけでなく、強度にもこだわって作られていることがわかります。
ペグが抜きやすい構造
ペグ上部の穴は他のペグを通すことができるので、硬い地面でも抜きやすい構造になっています。
ペグハンマーを使わなくても簡単に抜けるところが◎。
使うことで得られたメリット7つ
具体的にASAPを使うとどんなメリットがあるのか、使った感想をまとめてみました!
1|省スペースで設営できる
ASAPを使う最大のメリットは、ガイロープの出っぱりを気にしなくて済み、省スペースでの設営が可能になることです。
多くのテント・タープは、買ったときすでにガイロープに自在金具がついた状態になっていると思います。でも、初期設定はガイロープが長すぎることがあって、区画内にうまく収められない……なんてことありませんか?
なので、こんなふうにガイロープをギリギリまで短くしてペグダウンすることもありましたが、ASAPを使っていると極端な話、ガイロープの長さにとらわれることなく、ポール直下にもペグダウンできちゃうんです。
しかも、自在金具付きのままでもASAPを使うことができました。
なので、とりあえずASAPを持ってさえいれば、サイトの状況によって臨機応変に対応できる、これがとにかく快適すぎです!
2|河原サイトでも張りやすくなる
河原など、石ゴロゴロ系の場所で張りたいとき。区画に余裕があったとしても、地面が硬くてペグを打ち込める場所が限られている……なんてケースがあります。
そんなときでも自在金具のいらないASAPなら、ペグの位置を気にせず使えるのがすごく便利でした。
3|混み合うフリーサイトでも
そしてこれ、混雑しているときのフリーサイトでもめちゃめちゃ重宝します!
キャンプインフェスとか特にそうなんですが、空いているスペースを見つけたけど、広さ的にちょっとキツキツかも……ってときがあるんです。
そんなときはとりあえずギリギリのラインにASAPを打ち込んでおけば、あとはそこにガイロープを食い込ませるだけでいいので、狭いスペースでも張りやすくなるな、と思っています。
4|ガイロープがゆるみにくくなった
よくある2つ穴の自在金具は、強い風・雨の重みでゆるみやすい欠点がありましたが、ASAPはそういったゆるみにも強いとのこと。
なので、試しに一番荷重のかかりそうなメインポールのガイロープにASAPを使って、庭に2週間張りっぱなしにしてみると……
ASAPを使ったガイロープは、2週間後でもピンと張ったままの状態をキープできていました。正直、さすがに2週間はもたないんじゃないかと思っていたのでびっくりでした。
その都度ガイロープのテンションを調整しなくて済むところも、手間がなくてよき。
5|ガイロープの交換がラクになる
ガイロープの寿命(劣化)はテントやタープの幕より早いもの。筆者は庭でもよくタープを張っているので、ガイロープの交換のサイクルが早いです。
自在金具を使っていると、ガイロープを交換するときに再び取り付ける必要がありましたが、ASAPを使っていれば、ただ好きなガイロープを用意すればいいだけ。
しかも、自在金具とガイロープの相性を気にしなくていいところもラクでいい!
6|突っかかって転びにくい
ガイロープが長く伸びていると、うっかりつまずいてしまうことってありますよね。自分たちならまだしも、お隣さんや、他のキャンパーさんが転んでしまうと、とても気まずい……。
なので、通行人が多いところだけでもASAPにしておけば、ポールのすぐ近くにペグダウンすることができるため、不意の突っ掛かりを減らせるんじゃないかな、思います。
少なくとも筆者はこの対策でつまずくことがなくなりましたよ!
7|見た目がスマートになった
なにより見た目がスマートになったところもASAPを使ってよかったポイント!
このペグさえあれば、持っているガイロープに自在金具が付いていなくても、好きな長さ、好きな場所で使えます!
気になる「強度」もチェックしてみた
ASAPを使うメリットもさることながら、硬い地面に叩いても折れないのか? という点も気になっていました。
公式によると、「鍛造やチタンペグよりも強度は落ちますが、通常の樹脂ペグとは比べ物にならない強度を備えている」のだそう。
というわけで、庭のカチカチ地面で試してみました。
わが家の地面は屈強と名高いソリステもやっと……という感じなのですが、ASAPも少しづつ入っていきました。もちろん、折れることもありません。
ただ地面には挿さったものの、ソリステよりは抜けやすいかな、という印象ですね。
でも、カチカチの地面に打ち込んでも先端のダメージは上の写真くらい。メーカーが言うように、樹脂ペグにしてはかなりの強度があると思います!
そもそもASAPは、軽さと自在金具不要を強みとしているペグ。そのため、強風などの環境下ではソリステなどの屈強な鍛造ペグを使うなど、状況によって使い分けるのがよさそうですね。
こんな人におすすめ
ASAPは自在金具がついたガイロープと組み合わせることで、自在金具のゆるみ防止にもなるそう。
そう考えると、初心者キャンパーから玄人キャンパーまで、誰もが持っていて損はないな、と思いました。
冒頭にも書いたとおり、キャンプサイトの区画からガイロープがはみ出してしまいがち、ガイロープのゆるみをなおすのが面倒……という方は、ぜひASAPを取り入れてみてください。
一度使うと、そのラクさがクセになっちゃいますよ〜。
アソマタス ASAP
本体長さ | 286mm |
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重量 | 41g |
ASAP用の収納ホルダーも合わせてチェックを!
アソマタス ASAPホルスター