記事中画像撮影:筆者
広いリビングスペースは欲しいけど、設営が面倒くさい…
ファミリーキャンプで定番のレイアウトといえば、「テント+タープ」の組み合わせ。居住空間が広がり、天候への対応もしやすいなど、メリットが多いことは間違いナシです。
ただ、正直言っていいですか? とにかく面倒くさいんですよね。
筆者もキャンプ初期こそ気合いを入れて、数回はトライしたものの、いまやすっかり心折れてしまいまして……。
現在は大型2ルームのogawa「ティエララルゴ」を使用し、タープなしでリビング空間を確保。ですが、こちらも設営自体はラクとは言い難く、手抜きの代替案としては正直イマイチです。
何かもっと劇的に簡単なタープがあれば……。理想はワンタッチでパッと設営できるヤツ。
一周回って超ビギナー向けが最適解?!
出典:楽天
ところが最近、FIELDOOR「ワンタッチスクリーンテント」を発見! 昔からよくある自立式スクリーンタープですが、こちらはポールとフライ一体型でワンタッチ設営できる、さらにラクな進化型。
これまでこの手のスクリーンタープは、いかにもビギナー向けな見た目が気になって敬遠していたものの、もはや一周回って、結局こういうタイプが一番ラクそうだな、と思い至り……。
早速購入したので、キャンプから車中泊での活用までいろいろ試してみましたよ!
FIELDOOR ワンタッチスクリーンテント
使用サイズ | (約)幅285×奥行285×高さ208cm |
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収納サイズ | (約)幅122×奥行16×高さ16cm |
重量 | (約)6kg |
材質 | ポリエステル / スチール / グラスファイバー |
付属品 | スクリーンテント本体 キャノピーポール×2本 ロープ×6本 ペグ×10本 プラスチック製ハンマー×1本 キャリーバッグ 取扱説明書 / 保証書 |
「ワンタッチスクリーンテント」はこんなアイテム
デ、デカい!これちゃんと車に載るの?
実際、手にしてみてまず驚いたのが、収納時サイズの巨大さ。幅122×奥行16×高さ16cmと、車に載せられるか不安になる長大さです。重さも6kgとなかなかのもの。
これは、ポールと一体型のワンタッチゆえのサイズ。ワンタッチでないタイプだと幅がおよそ半分、67cmで済むようです。
セット内容はシンプル
袋から出すと、フライシート(ポール一体型本体)、キャノピーポールが入っています。画像右側にあるのは別売りオプション、「日よけシート」。筆者はこちらも1枚セット購入しました。
そのほか、ペグ・ガイロープ・プラハンマーも付属。ペグやハンマーの性能はオマケ程度ですが、ないよりはありがたい。ガイロープには自在金具もちゃんと装備されています。
面倒なフレーム組み立てが不要!
ワンタッチゆえにポールとフライは一体構造でわかりやすいですね。面倒なフレームの組み立てなしで設営できるのは、本当にラクそうです。
ただ、名称は「ワンタッチ」ですが、実際はポールにある黄色のボタンを押してロックを解除し、ポールを手で伸ばしてやる必要があります。
その手間が4本分なので、実際はフォータッチという……。とはいえ、それでも一般的なオープンタープの設営と比べると画期的にスマートな構造なので、期待は膨らみます!
ファミリーでも広々使えるサイズ
出典:楽天
設営時のサイズは 約幅285×奥行285×高さ208cm。2ルームテントのリビングスペースくらいの広さなので、4人くらいまでならファニチャーを入れても十分ゆったり過ごせそうです。
キャノピーは車中泊にも便利そう!
出典:楽天
4面全てがメッシュパネルですが、うち1面にはキャノピーが標準装備。
同じく標準装備の2本のキャノピーポールで跳ね上げればテントとリンクしつつ、リビングスペースを拡張できるのも便利。日除けにもなるし、使わないときは巻き上げておけます。
出典:FIELDOOR
公式サイトでは、キャノピー部分に車のリア部分が収まるように設置すれば、雨天時の荷物の出し入れも濡れずに済み、車中泊時にも便利な旨紹介されていました。
ここでふと思いましたが、キャノピー部分の端に吸盤などを装着すれば、車のサイドにも隙間なく連結できて、さらに便利に使えそう……。
オプションでフルクローズも可能
そして、先にも触れた通り、別売りオプションでパネル1面分の「日よけシート」もラインナップ。3面分追加すればフルクローズでき、シェルターとしてオールシーズンの使用も可能です。
1枚or2枚で本体とのセット購入のほか、単体の1枚が選べ、筆者はひとまず夏場の使用を想定し、試しに1枚のセット購入をチョイス。
本当にラクであっという間に設営できる…?
実際に「ワンタッチスクリーンテント」を設営してみました。本当にラクであっという間なのか……?
1|本体を地面の上に広げる
まずは、収納袋から出した「ワンタッチスクリーンテント」を地面に広げます。表裏はありますが、ポールが見えるほうが表です。分かりやすいですね。
2|バックル2か所を外す
お次は、赤いビルディングテープのバックル2か所を外します。このバックルは後ほどまた使用します。
3|ボタンを押してポールを伸ばす
プッシュボタンを押すとポールのロックが解除されるので、収納時とは逆の方向に折り曲げながら引っ張ってポールを伸ばします。
画像は1本だけ伸ばして切ったところ。これを4本のポールでも同様に行うと、もう自立します。
4|バックルを止めてペグダウン
そして、先ほどの赤いビルディングテープのバックル2か所を留め直します。これはポール間を支えてボトムの形状を維持するため。
最後はガイロープを結んで各所ペグダウンすれば完成。ペグダウンまで入れても5分以内でした。まさにあっという間! 2回目以降はガイロープを結ぶ手間もなく、さらに短縮できそう。
実際の使い心地をじっくりチェック!
圧迫感なく4人でも快適な室内
室内は本当に広々。120㎝サイズのオガワ「ロールテーブルL」、普通のチェアより幅広なDOD「ユトリチェア」2脚、DOD「グッドラックソファ」1台が、この通り、余裕で入りました!
ただし、壁面が最高部に向かって狭くなる形状のため、あまりボトムの端にチェアを置くと、少し頭辺りがキツイかもしれません。
とはいえ家族4人なら、日中ここだけで快適に過ごせるのは間違いなく、立ち上がっても頭がぶつからない高さなので、幕内での移動や作業もノンストレス。
4面メッシュが夏場には最強!
「4面メッシュ」はまさに極楽。オープンタープと遜色なく風の抜けは抜群ですし、何より防虫効果が素晴らしい!
ファスナー終端部までしっかり金具で留められるようになっており、虫の侵入はほとんどありません。まさに夏のセーフティエリアと言えますね。
日よけシート装着で盤石の布陣
「日よけシート」の取り付けは、裏から6か所のグロメットで引っかけるだけ。1枚1分もあれば完了。正しい向きでないとそもそも装着できないので、上下を間違うこともありません。
しかも、内側にはシルバーコーティングが施された本格派。遮光性も高く、強い日差しもバッチリ防いでくれました。
3面どこでも好きなパネルに取り付け可能で、専用品だけに、ご覧のように見た目もスッキリ。日除けになるだけでなく、隣のサイトからの視線も防げますね。
「日よけシート」をさらに2枚追加すればフルクローズできるので、寒い時期にも活躍しそうです。
キャノピーに吸盤を追加したら…
キャノピーを跳ね上げれば、4面メッシュの開放的な空間はそのままに、大きな日陰のスペースを拡張できます。暑い日や人数が増えたときなどは、快適さがますますアップ!
デフォルトの付属品だけでできるので、これはぜひ試して欲しいです。
そして、前半部分で少し触れた通り、このキャノピー終端に、同ブランドの「カラビナ付き吸盤フック(2個セット)」を装着してみました!
こうすると、車のサイドボディなどにも隙間なく連結できるので、車中泊の際にキャノピーを連絡通路として活用できます。雨天時には特に重宝するので、オススメのカスタマイズです!
FIELDOOR カラビナ付き吸盤フック
サイズ | (約)幅7cm×長さ17cm (※吸盤の直径:約7cm) |
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重量 | (約)45g ※1個あたり |
材質 | TPU、ABS、他 |
細部の作りも抜かりナシ
ランタンフック
ルーフ中央にはランタンフックも1か所あります。夜間も使えるので、就寝前までリビング空間として活用できますね。
日よけシート収納ポケット
各コーナーの内側に計4つ、こんな感じのポケットも付属。公式サイトでは、どうやらオプションの「日よけシート」を使わないときに収納しておく用途だとか。
また、スマートフォン、自動車のキー、あるいはモバイルバッテリーなど小物を入れるのにもドンピシャ。スクリーンタープでこうした収納付きなのは珍しく、気が利いてますね。
気になるところもなくはない
収納幅のデカさは事前確認マスト
最大の気になるポイントは、やはり収納サイズの大きさです。大型2ルームのオガワ「ティエララルゴ」と比較しても、幅はさらに上回るという強烈さ。
設営が画期的にラクなワンタッチ構造ゆえの欠点ですから、目をつむりたいところではありますが……。
画像は筆者の愛車マツダ「CX-8」に積載したところですが、このように、何も考えずに車載しようとすると、非常に難儀なことになります。
同メーカー最大級たるSUVのラゲッジスペースですら、まっすぐ乗らないので、車種によっては積載をあきらめる事態も予想されます。購入前のサイズ確認はマストです。
同ブランドの非ワンタッチタイプなら半分サイズなので、ラゲッジが狭めの場合はこちらも検討するといいですね。
設営途中でいろいろ外れる
これもワンタッチ構造ゆえの欠点で、設営・撤収中に、いろいろな接続箇所がポロポロと外れやすい……。
設営後は問題ないのですが、万一直さずに設営してしまうと、不安定な仕上がりになるので注意が必要です。とはいえ再接続は簡単なので、気づいたら慌てず元に戻しましょう。
キャノピーのピン張りがムズい…
既にお気づきの方もいるかもしれませんが、キャノピーを商品サイトのように美しく“ピン張り”するのは至難のワザでして……。
というのも、標準装備のキャノピーポールが柔軟性が高く細いので、ガイロープで強く張ってもしなりやすいんです。
また、ポール長もやや短めで、地面の傾斜も影響してどうしてもたわみがちに。大雨のときは水が溜まるので、クリップ付きフックなどで中央にもガイロープを追加するなど工夫が必要です。
FIELDOOR ワンタッチスクリーンテント
使用サイズ | (約)幅285×奥行285×高さ208cm |
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収納サイズ | (約)幅122×奥行16×高さ16cm |
重量 | (約)6kg |
材質 | ポリエステル / スチール / グラスファイバー |
付属品 | スクリーンテント本体 キャノピーポール×2本 ロープ×6本 ペグ×10本 プラスチック製ハンマー×1本 キャリーバッグ 取扱説明書 / 保証書 |
もう「バエ」よりも快適さ優先のベテランにこそオススメ!
フィールドア「ワンタッチスクリーンテント」は、活用のアイデアが膨らむ利便性の高いギア。
例えば、「ワンタッチスクリーンテント」のほかに、寝室となる空間(車やワンポールテントなど設営が簡単なテント)さえ用意すれば、15分程度でファミリーキャンプのレイアウトが完成! これを「初心者向け」と切り捨てるのはもったいない。
もう「見栄え」はいいから、そんなことよりもとにかく快適なキャンプを簡単に楽しみたい、という1周回ったベテランキャンパーにこそ、ぜひ使ってみてほしいアイテムです!