最近よく聞く「フェーズフリー」、実はね…
近頃よく⽿にする「フェーズフリー」。”いつも”使っているモノやサービスを”もしも”のときにも役⽴てる新しい防災の考え⽅です。
「備えない防災」とも呼ばれるフェーズフリーですが、キャンプととっても親和性が⾼いと思いませんか?
2024年8月に『ラクして備えるながら防災 フェーズフリーな暮らし⽅(辰巳出版)』を出版したアウトドアユニット「CAMMOC」の三沢真実さんに、キャンプギアをどんな⾵に⽇常に取り⼊れているのか、教えてもらいました。
生きる知恵を学んだ、日本一周キャンプ旅
息子のアリくんがベビーのころからキャンプに出かけていた三沢さん。アリくんが4歳になった頃、思い切って⾞中泊キャンプで⽇本⼀周の旅に出ることに。
10歳にしてキャンプ歴10年のアリくんは、⼤⼈の⽬が届く範囲でならバーナーやナイフを上⼿に扱えるようになりました。
三沢さん:我が家では⽸詰や乾麺など、⽇持ちする⾷品を⽇常的にストックしていて、それらをキャンプに持ち出したりします。
⽣鮮⾷品と組み合わせることもありますが、保存⾷だけの料理を作り、⾃分たちの⼝にあう防災⾷か試すことも大事です。
道具の使い⽅もそうですが、キャンプを通して得られる知恵や備えは、いざというときに役立ったりします
⾮常時こそ、⾷べ慣れた味のほうが、⼼や体をほぐしてくれるものです。アウトドアで調理してみると、⽔や⾷品、燃料をどのくらい消費するのか検討がつくようになるし、同時に期限切れで廃棄するのも防げたりします
⽇本⼀周キャンプ旅をマネするのは難しいかもしれませんが、防災⾷の試⾷であれば、普段のキャンプに取り⼊れられそうですね。
ちなみに三沢さんのおすすめ保存食はドライフード。野菜や果物が軽く、持ち運びやすいという理由からです。
三沢さん:顆粒だしと乾燥野菜を混ぜ込んだ味噌⽟は、湯を注ぐだけでおいしい味噌汁になります。冷凍すれば保存がきくし、キャンプだけでなく毎⽇の⾷事にも便利です
防災⾷を毎⽇の⾷卓に取り⼊れる、⽬からウロコの発想です。
アウトドアギアは優秀なフェーズフリーアイテム
三沢さん:登⼭やキャンプ⽤のバーナーは、屋外専⽤設計のため⾵や寒さに強く、軽くてコンパクトになるアイテムも多いです。バーナーがあれば、寒い時期でも芯から温まることができます
中でも⼩さな鍋に⼊れて持ち運べるものなら、災害発⽣直後に⾝を寄せる「避難場所」にも持っていきやすいんです
家族みんながバーナーの正しい使い⽅、⽕加減のコツを⾝につけておけば、いざというときに慌てずに対処できます。これもフェーズフリーのひとつですね。
三沢家流!防災バックの作り方
時にキャンプギアは、フェーズフリーアイテムにもなりえるということが、みなさんもご理解いただけたのではないでしょうか。
三沢家の場合、避難袋は各自一つのみに絞り、⽔や簡単な⾷料、最⼩限の着替え、ライトやマルチツール、簡易的な救急キットなど……各⾃が持って歩ける重量に調整することで、不足の事態に備えています。
ポータブル電源はキャンプ時には重宝するものの、その重量と大きさが気になるため、代わりに小さなモバイルバッテリーを避難袋に入れているそうです。
三沢さん:手持ちのギアをキャンプ以外のシーンで⽇常的に使ってみてください。避難⽤品だけで過ごしてみると、⽋かせないモノ、なくても良いモノが把握できますよ
PHOTO / 逢坂聡 TEXT / ⼤森弘恵
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