そのほかの推しポイント
もちろん、スリーピングマットとしての基本スペックも抜かりなし。
セットアップが簡単
上下どちらのマットも、吹き込み時にエアが戻らない(抜けない)逆止弁のバルブが使われているので、途中で空気が抜けません。
近頃のスリーピングマットは大体このシステムが採用されていますが、やっぱりセッテイング時のストレスがないのがいいですね。
上半身のウレタンマットは半自動膨張するので、バルブを開いたまま置いておくだけで6〜7割程度膨らんでくれます。全力でフーフーしたり、別途エアーポンプを用意したりしなくていいところが本当に楽ちん。
質感がいい
マットの表面はさらっとした肌触り。生地は20デニールのリップストップナイロンで、パンクに強いところも本格派。
くすんだカーキ色と相まって、品のある佇まいもよき。
滑り止めがある
上下マットともに、シリコンプリントのロゴ入り。これが滑り止めとして機能するので、ナイロンの弱点である滑りやすさをカバーしています。
寝袋にインできる
キャンプマットというと長方形も多くありますが、ハイブリッドマット5の形は頭と足先が細くなるマミー型。だから、よくあるマミー型の寝袋に入れ込みやすいです。
たとえ滑り止めプリントがあっても、体勢などによってはマットからの滑り落ちが気になる、そんなときは寝袋のなかにインできるのがいいですね。
厚みとサイズに対してコンパクト
肉厚のインフレータブルマットというと、収納時にロールマットのように細長くて大きくなりがちですが、ハイブリッドマット5の収納サイズは直径16×27cm。寝袋を収納したときのように、とても小さくなります。
コンパクトなギアは多くのキャンパーにとって嬉しいもの。あれもこれも持ってこ〜なんてやっていると、あっという間にラゲッジがぎゅうぎゅうになりますからねぇ……。
いうまでもなく、ロール式マットよりコンパクト。
スペックに対して軽い
重さは上半身が約610gで、足元が約150g。合計760gでした(全て筆者の実測値)。公式商品ページには、収納ケースとゴムバンドも含めて重量880gとの記載があります。
同等クラスの某ウレタンマット(肉抜きなし、厚み5cm、長さ180cm×幅60cm、表地30デニール)の重さが約1,250gだったことを踏まえると、スペックの差は若干あるものの、ハイブリットマット5は軽いつくりになっていることがわかります。
そもそもこのマット、冒頭でちらっと書いたように、バイクパーツを手がけるメーカー「デイトナ」のアウトドアシリーズ。
キャンプ道具の積載に限度があるバイクツーリング目線で開発されているので、軽量・コンパクト設計というわけですね!
収納ケースがこれまた秀逸
収納ケースが付属していますが、この袋が地味に気が利いていてコンプレッションできるようになっているところがいい! よりスリムに圧縮できます。
肝心の寝心地は…?
隅々までチェックしたのでつい長くなってしまいましたが、一番気になるのは実際の「寝心地」。
というわけで、手っ取り早く自宅のフローリングでひと晩寝てみました。
寝てみた感想は…
いうまでもなく硬い床ですが、ウレタンマットがしっかりとしたクッション性を発揮してくれたので、床の硬さを感じることなく、必要十分な寝心地。
薄いマットで寝てしまったときに感じるような体の痛みもなしです。
足元のエアー部分に関しては、正直「エアーマットって軽いしコンパクトになるけど、浮いているような寝心地がどうも気になるんだよな〜」と苦手だったんですが、パンパンに入れれば空気が動くことはなく、さらに足元だけなので全然気にならず。これは盲点だった……!
また、上下のマットは面ファスナーでしっかりとくっついていたので、就寝中にズレることなく、違和感もありませんでしたよ。
5cm厚だから地面の凹凸を拾いにくい
フローリングだけだとアレなので、後日砂利のうえに敷いて座ってみましたが、砂利のゴツゴツを拾わず快適でした。これなら野外で眠るときも安心です。
だけど気になるポイントも…
マット幅が細め
一般的に、成人男性ならマット幅60cm以上あれば快適に眠れると言われていますが、最大幅は53cm。結構スリムなので、人によってはヒジが落ちやすいかもしれません。
ただこれは軽量化・携行性を優先して必要最小限の幅に設定されているからで、スリムだから良くないというわけでもありません。
贅沢な寝心地を得たいというよりは、軽量思考の人と相性◎でしょう。
ちなみにR値ってどうなの?
ここまで真夏のフィールドで使ったレポートをお届けしましたが、やはりマットとなると断熱性が気になる……。というわけでメーカーに問い合わせてみました!
一般的にアウトドアメーカーのマットには断熱性を表すR値が示されていることも。「ハイブリッドマット5」のR値について記載がなかったので尋ねてみたところ、以下のような回答が。
第三者機関での試験は行なっていません。そのためあくまで参考値となりますが、工場内で実施した試験ではR値3.3でした。これは、マットの3箇所を計測して平均値を出した結果です。
分けて数値を出すとウレタン部分はR値4.2、エアー部分はR値1.5でした。
ウレタン部分はなかなかの断熱性であることがわかりますね。足元のエアー部分は構造上断熱性が低いので、荷物削減にこだわらないのであれば他のマットやブランケットなどを足し算して断熱性を高めてあげると良さそうです。
スリーピングマットの新しいかたち
こんな人におすすめしたい
- ・寝心地のいいリーズナブルなマットを探している人
- ・軽量・コンパクト優先の人
- ・登山やツーリングでも使いたい人
- ・ポテンシャルの高いギアに惹かれる人
寝心地と収納性のバランスが抜群によかった「ハイブリッドマット5」。スリーピングマットなのに昼も有能とか、ほんと期待値超えてきた……!
デイトナ HOSHIZORAハイブリッドマット5
本体サイズ | 幅53x長さ183x厚み5cm/幅53x長さ115x厚み5cm(分離時ウレタン部のみ) |
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重量 | 約880グラム(収納袋含む) |
収納サイズ | φ16x27cm |
生地 | 20d リップストップナイロン |
付属品 | 収納袋、バンド |
▼デイトナ neGlaシリーズ「HOSHIZORAハイブリッドマット5」の詳細はこちら