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編集部メンバー6人に聞いた!「上半期ベストギア」
キャンプの知識や楽しみ方を伝えるため、日々“センサー”を研ぎ澄ますCAMP HACK編集部員たち。取材や撮影でもキャンプを重ね、幾多のギアに触れてきました。
もはや公私の別なく新作は気になり、好評なアイテムはすぐさま試したい……。読者のみなさん同様、どっぷりキャンプ沼にハマっているのは確かです!
そんな彼らが選ぶ、ベストギアをご紹介するこの連載企画。各自キャンプスタイルや楽しみ方は違えど、購入に到るまでの経緯やお気に入りポイントはリアルで、参考になるものばかり。
今回は6名の編集部員たちに、「2024年上半期のマイベストギア」を発表してもらいましょう!
軽さもリラックスも両立するならコレ一択!
CAMP HACK編集長 マツダ
二児(6歳と3歳)のパパキャンパー。FLEXで購入したハイエースを基地にしてクルマ主体のキャンプを楽しみつつ、家族が快適にキャンプを楽しめるように少しずつギアの足し引きをして試行錯誤中
ヘリノックス「グラウンドチェア」
日々の原稿チェックに取材、最近ではアウトドアイベントでの講演も増え、多忙を極めるCAMP HACK編集長マツダ。そんなマツダのチョイスは、ヘリノックス「グラウンドチェア」。
スタンダードな「チェアワン」に超軽量な「チェアゼロ」、背もたれが大きい「サンセット」などさまざまなラインナップがある中、「グラウンドチェア」を選んだ理由とは……?
マツダ:自転車キャンプを始めてから「①重さ500g前後で軽量コンパクト、②背もたれ有りで足をしっかり休められる」の条件で椅子を探していました。
ですが、「軽さ」と「リラックスできる」を両立してくれるチェアはなかなか少なくて。Amazonやらガレージ系も探したんですが、耐荷重や収納性を考慮するとヘリノックス「グラウンドチェア」しか考えられませんでした。
マツダ:まず収納サイズが幅30×奥行き11×高さ11cmと、とてもコンパクト。通常の「チェアワン」や軽量モデルの「チェアゼロ」と比べても5cmほど幅が短く、収納スペースに困りません。
イメージは、一回り大きいナルゲンボトル(1.0L)くらい。荷物の制限がある自転車キャンプや島キャンプ時に重宝しています。
マツダ:一時期は軽量さにこだわってスツールのような「背面のない簡易チェア」を使っていましたが、さすがに長時間座っていると脚も腰も疲れてしまって全然リラックスできず……。
この「グラウンドチェア」はしっかりと背面があって耐荷重120kgもあるので安心感が違います。完全に身体を休めることができるんです。
フレームには超軽量・高強度を誇るオリジナル合金「TH72M」が採用されていて、そもそも体を預ける安心感もケタ違いですね。
マツダ:さらに絶妙な22cmという座面高のおかげで、脚を伸ばしたりあぐらをかいたり、無理せず脚のポジションを自由に変更できて座り心地はリラックスそのもの。
何個もコンパクトチェアを買っては試し買っては試しを繰り返したので、もっと早く買っておけば……と後悔しました。
軽さを極めるなら最軽量510gの「チェアゼロ」ですが、足を水平に伸ばせる座面の低さ、他モデルより深めのシート設計で背中をゆったり預けられる点で「グラウンドチェア」一択というのに、激しくナットク。
自転車キャンパーだけでなく、無骨派地べたキャンパーにもイチオシのチェアですね。
ヘリノックス グラウンドチェア
使用サイズ | 幅52×奥行き50×高さ49cm |
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収納サイズ | 幅30×奥行き11×高さ11cm |
重量 | 615g(640g) *()はスタッフバッグ込み |
耐荷重(静荷重) | 120kg |
材質 | フレーム:TH72M合金 張り材:ポリエステル、ナイロン |
安さに釣られたけど…リピ買い予備軍入り決定!
CAMP HACK編集部タグチ(旧:たぐっちゃん)
Youtubeで「たぐっちゃんです〜」と言うのが恥ずかしくなって最近は裏方がメインに。キャンプスタイルはハイエースでの「気ままでズボラな車中泊」。車中泊DIYの情報収集をするのが日課だが、自身のクルマは妄想止まりでいつまでも進展がない。
BATOT 「ランタンケース」
男前ギアのセレクトセンスに定評ある、編集部ベテランメンバーのタグチ。そんなタグチが選んだのは、BATOT「ランタンケース」。
タグチ:LEDランタンの車内整理を目的にAmazonで購入しました。
本当はヘリノックスの「サイドストレージスリム」を狙ってたのですが、比べたときにこちらが半額以下という値段で安かったのが決め手です。
タグチ:車内後方の窓際にワイヤーネットを取り付けているのですが、そこにこのアイテムを引っ掛けて使用しています。
見た目の収まりがいい、とにかくスリムな体型がお気に入りのポイントです。
裏面にはモールシステムが搭載されているので、ワイヤーネットとの相性抜群ですね。モールシステム対応のバックパックなどにもそのまま装着できるのも便利です。
タグチ:手のひらサイズの大きさですが、容量も十分。ゴールゼロを2つとネジ穴式のスタンド2つ、さらにシェードやコードまで収納できています。
蓋を閉じた表面には、ベルクロのメス面付きループべルトも装備。ここにもサイズの合う小物ギアを差し込んだりできそうです。ベルクロワッペンでカスタムするのも楽しそう。
タグチ:正直、値段的に失敗しても仕方ないと割り切って購入したアイテム。
細かい作りはまあまあだし、品質がいいとは言えませんが、ヘリノックスと比べて安いので値段相応に妥当かなと納得しています。
使い始めてまだ2ヶ月なので、あと1ヶ月使ってみて耐久性に問題ないと感じたらリピ買い予定です。
Amazonでは1,699円(税込/2024年8月時)と、6,600円(税込)のヘリノックス「サイドストレージスリム」と比べると実に1/3以下のお値段。これは試してみる価値アリですね!
ブラック・カーキと合わせて3色展開だから、インテリアに合わせて選べるのも魅力です。
BATOT ランタンケース
サイズ | 170x180x30mm |
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重量 | 約162g |
材質 | ナイロン |
カラー | ブラック/ミリタリーグリーン/カーキ |
BBQのハードルを一気に下げるタフガイを発見
CAMP HACK編集部 じゅんじゅん
元アウトドアショップ店員。キャンプギアが家に入り切らず、レンタル倉庫を契約している。友人を次々にキャンプ沼に引きずり込み、一緒にキャンプを楽しんでいるが、クーラーボックスの開け締めにうるさいのがバレてしまい、煙たがられている
DCM「炭火しちりん」
キャンプでも自宅でも常にみんなとワイワイ、エネルギッシュな動画チームの愛されキャラ・じゅんじゅん。そんな彼は今回、ホームセンターブランド、DCMの「炭火しちりん」を選出。
キャンプ用と銘打ったアウトドアブランドのBBQコンロもたくさんある中、あえて昔ながらの珪藻土製七輪を選んだそのワケとは……?
じゅんじゅん:キャンプやBBQでよく炭火料理を楽しんでいるのですが、毎回コンロを洗うのがホントに面倒で。
メンテナンスの手間が少なくガシガシ使えるものを探していたところ、こちらを発見しました。
じゅんじゅん:まず設営という概念はなく、ケースから出せばほぼセッティング完了。金属の短い脚パーツがあるけど、はめるだけ。撤収もラクちんかつ時短で済みます。
じゅんじゅん:内部に仕切りがあって、左側は早く火が回る炭、右側は時間がかかる備長炭など、同時に2種類の炭を使い分けできるのも気が利いてます。
じゅんじゅん:そして、なんと言っても洗わなくていいのが快適すぎる! というか、素材が珪藻土なので水で洗うのはNGです!
肉の脂や醤油やタレも焼き切ってしまえばよく、今ではタレもガンガンかけて豪快に使用。炊事場がない河原や日帰りのBBQでも、使うハードルが一気に下がりました。
じゅんじゅん:さらに、珪藻土は一度高温になると冷めづらい性質があるため、七輪自体が高温になって食材に火が通りやすいのもポイント。
遠赤外線効果も高いので、短時間でもお肉の中までしっかり火を通しつつジューシーに焼き上がります。
じゅんじゅん:また、炭が少なくなっても珪藻土の高い保温力で、ある程度高温をキープ。炭も焼き切ってくれるので、燃え残りの灰も少なく後片付けもラクちんです。
それでいて下のテーブルには熱気ゼロ。耐熱テーブル上での使用が安心ですが、手を入れても全く熱さを感じません。
じゅんじゅん:丸い形状ではなく横長フォルムなのもミソ。大きいステーキやサンマなどの長細い魚などもはみ出さず、より汎用性が高いんです。
横長と言っても、10インチのダッチオーブンを置くのにも十分な幅感。丸いタイプより高さも控えめなので、デッドスペースが少なく積載にも便利です。
側面には火力調整用の空気口があったり、携行時に便利な持ち手付き金属製フレームも付属するなど、現代のBBQシーンにマッチするディティールにアップデートされた七輪ですね。
BBQコンロの後片付けがとにかく面倒な人は、要チェック!
DCM 炭火しちりん
サイズ | (約)幅405×奥行235×高さ165mm |
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家にも車にも常備しておきたい、ナイスデザインが魅力
CAMP HACKのよろず屋 きむ23
動画制作・オンラインショップ店長・司会・DIYなど、頼まれたらなんでもやる「Mr.ワンオペ」。仕事・家事・育児・遊びと、フル稼働の毎日を送っている。
SCHALTEN 「ハンディクリーナー」
CAMP HACK Channelのカオとして、あるときはCAMP HACKストアの店長として、最近ではトークショーのMCまで無茶ぶりされつつ、見事にこなすなど、マルチに活躍するきむ23。
そんなきむ23のセレクトは、レトロなデザインが魅力の掃除用具ブランド、SHALTEN(シャルテン)の「ハンディクリーナー」。一体どんなところがベストだったんでしょうか?
きむ23:食べカスや遊んだ後のゴミ掃除などを子ども自身にやってもらいたいと思い、軽くてかわいい「箒ちり取りセット」を探していました。
しかし、箒部分がむき出しのタイプが多く、部屋の中や車中に置いておくのには抵抗が……。そんな中、今回見つけたシャルテンは大当たりでした!
きむ23:とりあえず、とにかく見た目がいい! ポンと置いておけるのもいいですし、一見して箒とは分からないので、インテリアとしてもちゃんと機能しています。
きむ23:斜めカットのしっかりとしたブラシが、狭い隙間にも入り込んで掃き出せるのも便利。
車だと、シートの縫い目や隙間なんかに子どもの食べカスとかが入り込んで、掃除機でもなかなか吸えなかったりしますが、これならかなり楽に取れますよ。
きむ23:ケースがちゃんとちり取りとして使えるのもいいですね。両手で持ったときのサイズ感もちょうどいいです。
きむ23:テント内はもちろん、キャンプギアについた細かい汚れも掃除しやすく、あらゆるシーンで使えます。
ブーツや靴の泥汚れを落とす用にも1つ、追加で購入したいなと思ってます。玄関に置いてあってもサマになりますからね。
ケース両サイドにはDカン付きだから、ロープなど付ければ吊るす収納もできますね。キャンプでテーブルの上にポンと置いておけば、「コレ何?」と聞かれること間違いナシのアイテム。
SCHALTEN ハンディクリーナー
サイズ | 約幅19×奥行4.3×高さ12.9cm |
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重量 | 約213g |
材質 | 本体:ポリプロピレン リング:ステンレス |
求めていた全ての条件を上回るヤツ、見つけました
CAMP HACK Channel はせべっ
CAMP HACKのYouTubeチャンネルのカメラの後ろにいる人。撮影機材、キャンプギア、ガジェット沼に肩まで浸かっていて、溺れそう。
キャプテンスタッグ「楽々カゴキャリー(イエロー)」
動画チームの「はせべっ」は、時折放つひと言で周囲を湧かせる、撮影現場のムードメーカー。そんな彼が今回選び抜いたのは、CAPTAIN STAG「楽々カゴキャリー(イエロー)」。
日常でショッピングカートとしてもフツーに使えそうなこのキャリー、何がはせべっに刺さったのでしょうか……?
はせべっ:常々、フェスや車が横付けできないサイトでの、ギア運搬方法に悩んでいました。いわゆる4輪のキャリーワゴンは、ソロには大き過ぎるし重くて。
しかも1人では大きな段差を越えるのが難しいし、展開するステップも面倒くさい。けれどバックパックに収まるほどギアを減らしたくはないし……。
出典:Amazon
はせべっ:「楽々カゴキャリー」の購入に至るまで、迷った2つのアイテムがあり、1つ目が「バギーチェア」。チェアとして2WAYで使えるタイプです。
ですが、こちらは収納サイズがちょっと大きめなのと、価格が15,000円程度と、個人的に予算オーバーしてしまい却下。
出典:CAPTAIN STAG
はせべっ:もう1つはキャプテンスタッグ「チェアキャリー」。こちらもチェアとの2WAY。
ですが、積載量が少なすぎるのとデザインが自分にはピンと来ず。9,350円(税込)という価格も予算的に厳しかったんです。
はせべっ:悩んでいるうちに具体的に求めることが明確になり、下記の5つの条件で探していたところ、発見したのが「楽々カゴキャリー」でした!
- 1. 段差を越えやすい2輪、もしくは斜めにして実質2輪で引ける
- 2. ある程度キャンプサイトに馴染む見た目
- 3. モールシステムのように拡張性がある
- 4. なるべく安い
- 5. できれば2WAY(運搬プラスアルファの機能がある)
はせべっ:サイズは幅460×奥行375×高さ870mmとソロキャンプなら十分な容量。
そして一応4輪ですが、後輪は気持ち程度の大きさ。奥行きが小さめなので、少し傾ければ2輪で引けます。1人のときでも段差を越えやすくて取り回しがスムーズ。
また、 オレンジに近い黄色が思ったよりうるさくなく、サイトに馴染むデザインもお気に入りです。
はせべっ:さらに、なんと言っても左右がラダー状・前後が格子状のパネルなので、拡張性やアレンジ力が高いのが魅力です。
シュラフなどの筒状アイテムをロープで括りつければ、外付けで一気に積載力がUP!
はせべっ:格子状パネルには、モールシステム対応のランタンケースも装着可能。
一般的なアウトドアワゴンよりハンドルの直径が細めなので、クランプを使えばランタンハンガーとしても活躍。見た目以上にたくさん運べてマルチに使えるんです。
はせべっ:収納時はパタンとワンアクションでたためて、460×965×厚さ160mmとコンパクトなのもポイント。車載スペースにも困りません。
普段の買い物でも違和感のないデザインで、価格もAmazonなどでは4,266円〜(税込/2024年7月時点)と断然リーズナブル。求める全ての条件を上回るキャリーです。
布地で覆われていないので、芝生や砂などが内側に溜まらず、シミ汚れなども気にせず使えるのも便利ですね! 耐荷重も15kgとしっかり。
ソロ向きのコンパクトキャリーを探していた人にイチオシのアイテムです。
キャプテンスタッグ 楽々カゴキャリー
使用サイズ | 幅460×奥行375×高さ870mm |
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収納サイズ | 460×965×厚さ160mm |
重量 | 約3kg |
耐荷重 | (約)15kg |
材質 | 本体:鉄(エポキシ樹脂塗装)、持ち手:ABS樹脂、車輪:ポリプロピレン・EVA樹脂 |
想定外の魅力がツボ。安眠に欠かせない相棒です
CAMP HACK編集部 ハルピス
CAMP HACK・YAMA HACK兼任ディレクター。古道具屋、地方創生系メディアを経て、2022年からジョインした文化系キャンパー。週末は登山かキャンプか美術館にいることが多い。お酒は「アル中」と呼ばれる程度に嗜む。
ネイチャーハイク「スリーピングバッグライナー」
編集部では2年目ながら、キャンプにも登山にもフッ軽なハルピス。アウトドアな暮らしを体現した自宅インテリアのセンスにも定評が。
そんな彼女が選んだのは、高コスパで人気のブランド、ネイチャーハイクの「スリーピングバッグライナー」。早速、その魅力を語っていただきましょう!
ハルピス:もともと、山小屋泊のときに、備え付けの寝具に入れて使うために購入。
ですが、ごくごく限定的な用途のつもりが、思いのほか普段のキャンプでも大活躍してくれているんです。
ハルピス:まず、登山ブランドのアイテムに比べてめっちゃ安価なのが魅力でした。けれど、重さは350gで収納サイズは約Φ9✕19cmと、しっかり軽量コンパクト。
ハルピス:また、シュラフのシャカシャした生地感が苦手だったのが、インナーシーツを入れることで一気に解消!
直接肌に触れてもノンストレスな感触で、サラッとしつつ柔らかいのがお気に入りです。
ポリアミド繊維80%+弾性繊維が20%使用されており、撥水性や伸縮性も抜群。よく伸びてフィットするので、窮屈さを感じないのも魅力ですね。
ハルピス:洗濯してもすぐに乾くのもうれしいですね。キャンプや山泊が連続したときにすごく助かるし、衛生面での安心感が安眠につながっています。
手洗いだけでなく、洗濯機で丸洗いできるのも便利ですね。保温性も高いので、冬場はシュラフの暖かさをアップさせてくれるので、オールシーズン活躍してくれます。
ネイチャーハイク スリーピングバッグライナー
使用サイズ | 約200✕80cm |
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収納サイズ | 約Φ9✕19cm |
重量 | 350g |
材質 | 80%ポリアミド繊維+20%弾性繊維 |
カラー | グレー、ベージュ、ライトオレンジ、ライトブルー |
終わりなきギア探しの旅は続いてゆくのであった…
CAMP HACKという1つのメディアに集う編集部員たちですが、そのキャンプスタイルもライフスタイルも6人6色。
巷では“キャンプブームの終焉”などが謳われている2024年ですが、編集部員たちにはどこ吹く風。彼らのギア探しの旅には終わりなどありません!
みなさんも、新たなギアとの出会いと共に、キャンプをとことん楽しんで下さいね!