パーコレーターとは?
パーコレーター とは、上部にあるバスケットにコーヒー粉を入れ、沸騰現象を利用しお湯を循環させコーヒーを抽出するアイテムです。
1800年代にフランスで考案され、西部開拓時代にアメリカで普及しました。材質は金属でできていることが多く、頑丈で無骨な見た目がキャンパー心をくすぐります。
コーヒー粉をセットして火にかけておくだけでコーヒーができ、必要な道具もパーコレーターだけで足りるので、アウトドア向けのコーヒーアイテムとして人気の一品です。
※参考:電気コーヒー沸器|消費者庁
パーコレーターの仕組み
パーコレーターの仕組みはとても簡単。
1. 蓋のトップにガラス製やプラスチック製の透明のノブがついたポット
2. コーヒーの粉を入れるためのバスケット
3. お湯を汲み上げるパイプ
主にこの3つで構成されています。バスケットとパイプを組み合わせたものが「ストレーナー」です。
お湯が沸騰すると玉入れのカゴのようなバスケットの中央から蒸気圧によりお湯が吹き出し、このお湯がコーヒー粉にかかることでコーヒーが抽出されます。
蓋が透明になっているので、そこから見てお湯がコーヒー色に染まったらコーヒーが抽出された合図です。
お湯は沸騰して循環していくので、時間が経つほど濃いコーヒーを淹れることができ、自分好みの抽出具合でコーヒーを楽しむことができます。
また、ドリップでは味わえないような熱々のコーヒーが一度にたくさん作れるのも魅力です。
マキネッタとの違い
マキネッタ とは、直火でポットを温め水を沸騰させてその水蒸気圧でコーヒーを抽出することができるエスプレッソメーカーです。水を入れる「ボイラー」、コーヒー粉を入れる「バスケット」、抽出されたコーヒーが入る「サーバー」の3つのパーツで構成されており、コーヒーがかなり濃いめなのが特徴です。
パーコレーターは下に抽出されたコーヒーが溜まるのに対し、マキネッタは上のサーバーに抽出されたコーヒーが溜まります。
「見た目」や「直火で水を沸騰させる」というところまでは、パーコレーターと似ているのですが、パーコレーターは水蒸気がコーヒーにかかり徐々にコーヒーが濃くなるのに対し、マキネッタは蒸気圧でお湯が押し出され、コーヒー粉が入ったバスケットを通り一気にコーヒーが抽出されます。
マキネッタで使うコーヒー豆は一般的に「極細挽き〜細挽き」なのに対し、パーコレーターは「荒挽き」なのも大きな違い。味わいもパーコレーターよりもマキネッタで抽出されたコーヒーの方がかなり濃くなります。
サイフォンとの違い
サイフォンとは、下にあるフラスコを熱し沸騰したお湯が水蒸気で上にあるロートに上がり、そこにあるコーヒー粉に一度浸されその後濾過器に通されコーヒーが抽出されます。
一度お湯がコーヒー粉と混ざるので安定した味のコーヒーが抽出されることが特徴で、「ポコポコ」と沸騰する音を楽しむことができるのもポイントです。
パーコレーターとの違いは、見た目が大きく違うということもありますが、「コーヒー粉が一度お湯に完全に混ざる」部分が異なります。一度お湯に混ざるとはいえフィルターで濾過するので粉っぽくなることはありません。
サイフォンはコーヒーの味が安定しやすく、パーコレーターはどれだけ火にかけるかによって味わいが変化します。また、サイフォンはガラスなのに対し、パーコレーターは金属製のものが多いので、使い始めなどに少し金属臭がする可能性があります。
パーコレーターで淹れたコーヒーはまずい?
パーコレーターで淹れたコーヒーは「まずい」と言われるケースがあります。しかし、筆者もパーコレーターで淹れたコーヒーを飲みますが「まずい」とは感じません。なぜ「まずい」と言われることがあるのでしょうか? それは、主に2つの理由が考えられます。
濃いコーヒーが好きな方にはまずく感じるかも
パーコレーターは沸騰した蒸気がストレーナーを通り、バスケットにあるコーヒー粉にかかることでコーヒーが抽出されます。バスケットにあるコーヒー粉にかかりそれが落ちてくる時間は長くないため、コーヒーの味が薄くなりやすくなります。
薄味のアメリカンコーヒーが好きな方にはちょうどいい濃さなのですが、イタリアンコーヒーのような濃いコーヒーが好きな方にとってはデメリットになってしまうかもしれません。
コーヒー粉が混ざると美味しくない可能性も
パーコレーターはバスケットにコーヒー粉を入れます。当たり前ですがバスケットには穴が空いており、フィルターはないため細かく豆を挽いた場合は抽出の段階で一緒にお湯の中に落ちてしまう可能性があります。
そのため、そのままカップに入れて飲んだ際にコーヒー粉が口に残り「まずい」と感じてしまうこともあるかもしれません。
美味しいコーヒーの淹れ方
STEP1:適した豆を選ぼう
パーコレーターはコーヒー豆と、お湯が接触している時間が長い抽出方法です。そのため深煎りではなく浅煎りの豆の方がコーヒーの旨味をより抽出することができます。
しかし、必ず浅煎りでなければ美味しいコーヒーが抽出できないわけではありません。浅煎りの酸味が苦手な方は深煎りでも良いでしょう。
また、挽き加減は粗挽きがおすすめ。フィルターを使わないのでバスケットの穴より細かいコーヒー粉は下に落ちてしまいます。コーヒー豆は挽いた段階から酸化し劣化していきます。淹れる直前で豆を挽くことでさらに美味しいコーヒーを楽しむことができます。
STEP2:分量をはかる
コーヒーは水、豆両方とも分量をはかって抽出しましょう。
上記を目安にして分量をはかるようにしましょう。通常であればコーヒー豆は10gほどなのですが、パーコレーターのコーヒー豆は粗挽きなので少し多めでコーヒーを淹れるとコーヒーが薄くなりづらいです。
STEP3:弱火でじっくりコーヒーを抽出する
パーコレーターでコーヒーを淹れる際は、あらかじめお湯を沸かしておきましょう。そうすることでコーヒーが火にさらされる時間が最小限になり、雑味の少ないコーヒーを抽出することができます。
お湯が沸いたら火を弱くし、ストレーナーをつけコーヒーをじっくり抽出します。
STEP4:フタのつまみから見えるコーヒーの色が濃くなったら火を止める
フタのつまみから見えるコーヒーの色が濃くなったら、火を止めます。抽出時間は4分以内がおすすめ。コーヒーは加熱し続けると酸化が進み風味が飛んでいってしまいます。
また、時間が長すぎると雑味も一緒に抽出されてしまうので、濃いめのコーヒーが好きな方も時間はきっちり守るようにしましょう。
STEP5:少しだけ時間を置いてコーヒーをカップへ
コーヒーが沸いたらすぐに飲みたい! となるところですが火を止めたら1分ほど時間を置くようにしましょう。
パーコレーターで淹れたコーヒーはどうしてもコーヒーの粉が一緒に落ちてしまいます。火を止めた直後は落ちてしまったコーヒー粉が浮いている状態です。そのままコーヒーをカップに注ぐとコーヒー粉がカップに入ってしまい、ざらっとした口当たりになってしまいます。コーヒーをカップに注ぐ際も粉が入らないようにそっと注ぐようにしましょう。
コーヒーを淹れる以外の使い方
1. 紅茶や緑茶を淹れる
パーコレーターは、バスケット部分に茶葉を入れることで紅茶や緑茶、チャイなども淹れることができます。茶葉がお湯にずっと浸されているわけではないのでお茶が濃くなりづらいのが特徴。茶葉くらいの大きさならお湯に茶葉が混ざることもありません。
もちろんストレーナーを外してそのままティーパックを入れることも可能。お茶を入れるためのティーポットがいらないのでとっても万能です。
2. 鍋やケトルとして使う
パーコレーターはストレーナーを外せば鍋やケトルのように使うことができます。直火でも使うことができるのでおすすめです。
パーコレーターのおすすめ10選
パーコレーターを選ぶ際は、どれだけのカップ数のコーヒーを作ることができるのかで選ぶようにしましょう。カップ数が少ないとグループキャンプの際などに何度も沸かさなくてはいけなくなってしまいます。
また、家のIHで使用することを考えている場合は、IHに対応しているのかもチェックするようにしましょう。
ここからは、パーコレーターのおすすめを淹れることのできるカップ数ごとに紹介していきます。
3カップの小型タイプ
3カップの小型カップは1人で使いたい場合や2人でコーヒーを飲みたい場合におすすめです。小さいので持ち運びもかさばらず、サッとコーヒーを淹れることができます。
GSI ステンレス パーコレーター 3CUP
ステンレス製でとても頑丈なパーコレーターです。持ち手部分は耐熱シリコーンで持ちやすくなっているため安全です。シンプルな形なので家でもアウトドアでもどんなシーンにもマッチします。
GSI ステンレスパーコレーター 3CUP
キャプテンスタッグ 18-8ステンレス製 パーコレーター3カップ
キャプテンスタッグのパーコレーター は3カップでも容量が大きめなのがポイント。お湯をたくさん沸かすことができるので、3カップでも多めにコーヒーを淹れることができます。外側に水の目安が書いてあるので大体の水の量をはかることができます。持ち手部分が木なので熱くなりにくく、デザインに温もりが感じられるところもポイントです。
キャプテンスタッグ 18-8ステンレス製パーコレーター3カップ
南海通商 コーヒーパーコレーター 3cup
3カップのパーコレーターの中でもシンプルなデザインで価格も手頃なことがポイント。注ぎ口も小さめなのでスペースを取りません。持ち手部分は木でできており、少し斜めになっているので持ちやすいことも特徴です。
南海通商 コーヒーパーコレーター 3cup
4〜6カップの中型タイプ
4〜6カップの中型タイプは2〜4人ほどの複数人のコーヒーを淹れたい方におすすめです。お湯を入れる容量も多くなるのでケトルとして使ってもたっぷりのお湯を沸かすことができます。
スノーピーク フィールドコーヒーマイスター
無駄を省いたシンプルなデザインなのが特徴のパーコレーターです。持ち手もステンレスなので直火でも使うことができます。中のバスケットはドリッパーの形をしているのでドリップコーヒーを淹れる際にも役立ちます。1つで2役の万能なパーコレーターです。
スノーピーク フィールドコーヒーマイスター
コールマン ステンレスパーコレーターIII
外側に刻まれているコールマン のロゴがおしゃれなパーコレーターです。容量は1,300mlとたっぷりのお湯を沸かすことができるのでケトルとしての性能も優秀。持ち手とトップ以外は全てステンレスでできているので頑丈さもあります。
コールマン ステンレスパーコレーターIII
キャプテンスタッグ パーコレーター5カップ
円柱のポットに蓋が付いているシンプルな作りのパーコレーターです。シンプルなので手入れがしやすいのがポイント。容量も1.2Lとかなり多めです。持ち手は140度まで耐熱温度があり熱くなりづらいです。
キャプテンスタッグ パーコレーター5カップ
ロゴス ステンレスパーコレーター
たっぷりの6カップ淹れることができるのがロゴスのパーコレーター です。円柱ではなく少し注ぎ口部分が斜めになっているので見た目がポットみたいでかわいいのがポイント。ワンポイントのロスマークもおしゃれです。
ロゴス ステンレスパーコレーター
スタンレー グリップキャンプパーコレーター
他のパーコレーターと違いかなり縦長タイプなのがスタンレーのパーコレーター です。縦長なのでバッグなどに入れてもかさばらないことがポイント。シリコン製のグリップカバーは取り外しすることができるので直火にかけて使うこともできます。
スタンレー グリップキャンプパーコレーター
8カップ以上の大型タイプ
8カップ以上の大型パーコレーターはグループキャンプでも1人1杯以上たっぷりのコーヒーを飲みたい方におすすめです。また、形も定番のパーコレーターの形ではなくさまざまなものが販売されているので、人と被らないおしゃれなパーコレーターを使いたい方にもおすすめです。
GSI ホウロウ コーヒーパーコレーター 8カップ
ホーロー製のおしゃれなパーコレーターです。レトロな作りなので置いておくだけでもキャンプをおしゃれにしてくれること間違いなし。1.2Lとたっぷりのコーヒーを淹れることができます。
GSI ホウロウ コーヒーパーコレーター 8カップ
ペトロマックス ニューパーコマックス
ケトルのような見た目でたっぷり1.5Lのコーヒーを沸かすことができるのがペトロマックスのパーコレーター です。カラーは黒か白を選ぶことができます。デザインもおしゃれでパーコレーターだけではなくケトルとして火にかけて使うのもアウトドアに映えるでしょう。
ペトロマックス ニューパーコマックス
パーコレーターならではの魅力を味わおう
パーコレーターは、コーヒー豆をセットして火にかけておくだけで熱々のコーヒーを味わうことができます。淹れ方を少し気をつかってあげることで美味しいコーヒーを淹れることが可能です。ストレーナーを外すだけで、ケトルとして使うことができたり、お茶も淹れることができるなど使い方もさまざま。
何よりパーコレーターでコーヒーを淹れている姿はキャンプシーンにピッタリ。ぜひパーコレーターでおしゃれに美味しいコーヒーを味わってみてはいかがでしょうか。