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燻製卵のコラージュ

燻製卵(くんたま)の失敗しない作り方!美味しいアレンジレシピも

茹でた卵を煙で燻すだけの「燻製卵」ですが、黄身の硬さや下味、燻製の仕方に燻煙材など加減や方法によって仕上がりはさまざま。実は奥が深く、同じ燻製卵は存在しないんです!
この記事では燻製卵の基本作り方をイチからご紹介。キャンプでも家でもヤミツキになる激ウマくんたまレシピをはじめ、2倍3倍にも美味しくあじわうアレンジメニュー、おすすめのスモーカーまで徹底的にまとめました!

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目次

アイキャッチ画像出典:筆者作成

燻製卵の下準備

2種類の燻製卵

殻のついた生卵をそのまま燻製器に入れて煙で燻(いぶ)すだけでは、美味しい燻製卵は作れません。卵を燻製する前に、まずは「燻製する卵の下準備」をする必要があります。

まずは下準備として「適度に味のついた茹で卵」を作りましょう!

まずはゆで卵を作ろう

茹で卵を作っている鍋半熟具合にこだわりがなければ、沸騰したお湯にそのまま卵を入れてOK。10分以上茹でることで固茹でのゆで卵を作ることができます。

冷蔵庫の中の卵パック

燻製にした後の黄身の半熟具合にこだわりたい人は、どんな外気温でも同じ状態で調理をするために「沸騰したお湯+冷蔵庫から出したての卵」を条件に、茹で時間は以下を参考にしてみてくださいね。

半熟やや半熟固茹で
6〜7分8〜9分10分〜

卵を氷水につける茹で上がったらすぐに氷水に入れましょう。せっかく狙い通りの時間であげてもそのままにしておくと余熱で熱が入り、黄身が固まってしまいます。

また、身がしまって殻との間に隙間ができることにより殻を剥きやすくなります。茹でる前に卵の底に穴を開けることで、さらに卵がむきやすくなりますよ。

ゆで卵に味をつけるつけダレを作ろう

めんつゆとソミュール液

ゆで卵を燻製して塩を振って食べても美味しいですが、あらかじめ“つけダレ”に浸して下味をつけておくとさらに美味しい燻製卵に。おすすめの下味パターンは主に2種類あります。

・めんつゆ

・ソミュール液

めんつゆ

めんつゆのたれ

めんつゆに漬け込むと、それだけでラーメン屋さんで食べるような味玉のような味わいに。市販でももちろんOKですが、こだわり派の人には手作りのめんつゆもおすすめです。味玉以外にも蕎麦やうどんのつゆにも使えて便利ですよ。

めんつゆの作り方

<材料>

・醤油:1
・みりん:1
・だし汁:1
※分量は割合なので漬け込む量によって調節しましょう
<作り方>
すべての材料を鍋に入れ一煮立ちさせて冷ましたら完成。

ソミュール液

漬け込み用のソミュール液

ソミュール液はあまり聞き馴れない名前ですが別名「ブレイン液」とも呼ばれ、肉や魚などを燻製するときの味付けに使われます。

漬け込んだ後の味わいは塩味にハーブの香りが加わった洋風の風味。素材はシンプルで作り方も簡単なのでぜひお試しください!

ソミュール液の作り方
<材料>
・水:300ml
・塩:20g
・砂糖:15g
・お好みのハーブ(タイム、ローリエ、ローズマリー、ブラックペッパーなど):適量
<作り方>
全ての材料を鍋に入れ一煮立ちさせて冷ましたら完成。

つけダレに一晩ほど浸す

ジッパーバッグで漬け込むゆで卵

つけダレができたら一晩ほど浸します。浸し方は容器につけダレを入れてその上にキッチンペーパーを敷いたり、ジッパー付き袋に入れてもOK。しっかりと卵全体がタレに浸るようにすることがポイントですが、漬け込みすぎると味が濃くなるので注意しましょう。

味付け卵用のタッパー

ダイソーにはつけダレが少しで済んで簡単に味付け卵を作ることができる「味付け卵メーカー」が売っているので、使ってみるのもいいですね。

ダイソー:味付け卵メーカー紹介ページ

燻製をする前に一手間……

キッチンペーパーの上のゆで卵

味付き卵ができたら、卵表面の水分をキッチンペーパーなどでしっかり拭き取ります。乾燥させることで身崩れしにくくなり、燻製の香りや色づきが良くなりますよ。

面倒ですが一手間加えるだけで仕上がりが格段に変わるので忘れないようにしましょう。

燻製卵の作り方

段ボールの燻製セット

卵の準備ができたら燻製をしていきますが、始める前に燻製の種類について復習しておきましょう。

熱燻温燻
温度80度〜140度30〜80度
時間10〜60分ほど1時間〜1日ほど
燻煙材ウッドチップスモーキングウッド
特徴食材が加熱調理されるので炙ったような出来立ての口当たりが特徴。

温度管理があまり必要ない。

温度が低いので水分が抜けにくく口当たりが柔らかい。
ある程度の温度管理が必要で燻すのに時間がかかる。

ちなみにその他に15度ほどに冷たい状態で行う「冷燻」がありますが、今回は除外しています。

ウッドチップ(熱燻)

では、いよいよ燻製をしていきましょう! 必要なアイテムはこちら。

必要なもの
・スモーカー
・お好みのウッドチップ10gほど
・味付き卵

燻製チップとスモーカー

今回はどんな食材にも合うさくらのスモークチップを使用します。

スモーカーに入れた味玉

今回は味玉を網の上に乗せて蓋をします。

コンロの火加減

コンロを着火させて、チップから煙が出るまで燃焼させます。このときチップが燃え上がらないように火力に注意。

約80度をさす温度計

燻製は約80〜100度で約20分ほど行います。

煙が出ている鍋

時々蓋を開けて、燻煙が出ているか確認します。なかなか燃焼しない場合はコンロの火が弱いか酸素不足の可能性があるので、酸素不足の場合は蓋を少しずらして隙間を作りましょう。

スモーカーの中の燻製卵

20分経ち、完成です! 卵の表面の茶色が濃くなりスモークの良い香りがします。

皿に盛られた燻製卵

カットして食べてみます。ほどよいめんつゆの甘辛さとスモークの香りが鼻から抜けます。おいしい!

スモーキングウッド(温燻)

次は、じっくりと燻製することで半熟具合を維持することができる温燻に挑戦。必要なものはスモーキングチップがスモーキングウッドになるだけで、後は同じです。

必要なもの
・スモーカー
・お好みのスモーキングウッド1/3
・味付き卵

ヒッコリーのスモーキングウッド

今回は北米でよく使われるヒッコリーのウッドを使ってみます。

バーナーでスモーキングウッドに火をつける

スモーキングウッドのサイズを調節して火をつけます。大体横面全体に火がついて煙が安定するまで待ちましょう。

段ボール燻製器にならべたゆで卵

煙が安定したら燻製開始!

約50度を示す温度計

温度計があったら30~80度くらいが温度の目安。温薫は温度が低い分煙が立ちづらく燻すのに時間がかかるので、2時間ほど待ちます。

燻製された卵

2時間経ちました! 綺麗に燻製されて良い香りがします。

半熟の燻製卵

カットすると見事に半熟! 濃厚な黄身を味わうことができました。

フライパンでもできる

フライパンで燻製する

実は燻製はフライパンでもでき、考え方は基本的に熱燻と同じ。フライパンの上にアルミホイルを敷いてウッドチップを敷き、その上に足のある網を置いて卵を乗せます。

強火でチップから煙が出たことを確認したら火を弱火にしてから蓋をして20分ほど待てば、フライパンで燻製卵の完成。燻製器がなくてもできるので、ぜひ試してみてくださいね!

燻製卵のアレンジレシピ

燻製卵のアレンジメニュー

燻製卵を作りすぎて余ってしまった……そんな時はアレンジして別の料理に変身させてみてはいかがでしょうか?

食材を切って調味料で和えるだけでも燻製卵で作るといつもとは一味違う味わいに。ぜひお試しください!

ポテトサラダ

燻製卵で作ったポテトサラダ

ポテトと卵は相性抜群。普通の卵で作っても十分美味しいのに、燻製卵を使うと味に深みとコクが出てさらに美味しくなります。お酒にも合うので、飲みすぎないよう要注意です!

材料(2人分)
じゃがいも……2個
たまねぎ……1/4玉
燻製卵……2個
マヨネーズ……大さじ4
塩胡椒(アウトドアスパイスでも可)……適量
からし(なしでも可)……適量
<作り方>

① じゃがいもを茹でる(箸がスッと刺さるまで)
② 玉ねぎを薄くスライスして水にさらす(使う際は水をしっかり切る)
③ 燻製卵を1cm角くらいにカットする
④ 茹でたじゃがいもを容器に入れて好みの大きさになるまで潰す
⑤ 卵以外の食材を入れて混ぜる
⑥ 最後に卵を入れてさっくりと混ぜる

ウフマヨ

燻製卵で作ったウフマヨ

ウフマヨはフランス料理でウフは卵を意味します。なのでウフマヨとは卵とマヨネーズ。日本ではあまり見かけませんがフランス料理の前菜の定番です。燻製卵を使うと大人の味わいになります。

使う燻製卵は半熟がオススメ。ソースが余ったら野菜をディップしても美味しいですよ。

材料(2人分)
燻製卵……2個
乾燥パセリ(なしでも可)……少々
<ソース>
マヨネーズ……大さじ2
生クリーム……小さじ2
オリーブオイル……小さじ1/2
にんにく……チューブで約1cm
アンチョビ(なければオイルサーディン、塩辛などでも代用可)……小さじ1/2
塩(粗挽き胡椒と一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
粗挽き胡椒(塩と一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
<作り方>

① 燻製卵を半分に切る
② ソースの材料を全て入れてよく混ぜる(アンチョビが固形の場合はソースに馴染むようにペースト状にしておく)
③ 燻製卵にソースをかけて最後に乾燥パセリを散らす

タルタルソース

燻製卵で作ったタルタルソース

タルタルソースも、燻製卵を使うと風味が加わりコクが出て大人の味わいに。キャンプでもお肉や魚に乗せたりと大活躍。パンに乗せるだけでも美味しいですよ。

材料(2人分)
燻製卵……1個
玉ねぎ……1/2
<調味料>
マヨネーズ……大さじ4
酢(レモン汁)……少々
塩(粗挽き胡椒と一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
粗挽き胡椒(塩一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
<作り方>

① 玉ねぎをみじん切りにして水にさらす(使い際はしっかり水を切る)
② 燻製卵を細かく切る
③ 調味料をよく混ぜる
④玉ねぎと燻製卵を容器に入れてよく混ぜる

たまごサンド

燻製卵で作ったたまごサンド

シンプルにマヨネーズと和えた燻製卵をパンに挟むだけで、お店で食べるような絶品の卵サンドに変身。からしを入れるとピリッと大人の味になりますよ。

材料(2人分)
食パン……4枚
燻製卵……2個
<調味料>
マヨネーズ……大さじ2
塩(粗挽き胡椒と一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
粗挽き胡椒(塩一緒にアウトドアスパイスでも代用可)……少々
砂糖……ひとつまみ
からし(なしでも可)……少々
<作り方>

① 卵を1cm角くらいにカットする
② 調味料をよく混ぜる
③ 調味料と卵を和える
④ 卵を食パンに乗せて挟む
④ 食べやすい大きさにカットする

スコッチエッグの燻製

燻製卵で作ったスコッチエッグ

実はアレンジは燻製する前から始まっています。スコッチエッグはイギリスの伝統料理でゆで卵をひき肉で包みパン粉で揚げたもの。それを少し燻製風にアレンジします。

パリッとして燻されたベーコンに肉汁の染みた卵は絶品!

材料(2人分)
下味のついた卵……2個
ひき肉……200g
ベーコン……4枚くらい(タネを包めるだけ必要)
<肉だねの調味料>
塩……2片
粗挽き胡椒……200g
ナツメグ(なくても可)……200g
<作り方>

① ひき肉に調味料を入れてよくこねる(肉の粒感がなくなるくらい)
② 肉だねで卵を包む
③ ベーコンを肉だねで包んだ卵に肉が見えなくなるくらい包む
④ 燻製器に入れて200度で20分くらい燻す
※温燻では作れないので注意

燻煙材の種類や燻製器にもこだわってみよう!

上から見た燻製器

出典:PIXTA

燻製卵の作り方や美味しい食べ方がわかったところで、さらに燻製卵沼にハマるポイントをご紹介します。それは燻煙材や燻製器にこだわってみること。

同じ燻製でも燻煙材や燻製器を変えるだけで味わいは大違い。こだわり派の方はぜひ試してみたください。

燻煙材の種類によって香りが変わる

2種類の燻製材

燻煙材にはさまざまな木が使われており、万人受けする香りからマニアックな香りまで様々。さらに通になると、自分で燻煙材をブレンドして燻製する人もいます。

サクラ

サクラの特徴は香りが強いこと。その分香りがつきやすいので短時間の燻製でも十分に燻すことができます。どんな食材にも合うので卵以外の食材と一緒に燻製するのにもオススメ。日本で1番ポピュラーな種類です。

リンゴ

リンゴは果樹なのでフルーティで甘味のある香りが特徴で、香りも強すぎないので食材本来の香りを損なうことなく楽しむことができます。燻製独特のえぐみも出にくいのでこちらも燻製初心者にオススメですよ。

クルミ

クルミはクセが少なくすっきりとした香りが特徴です。色のつき方もマイルドなので茶色になりすぎないこともポイント。失敗しにくい種類です。

ヒッコリー

アメリカでよく使われている種類で、クセが少ない香りが特徴的。煙がよく出るので燻しやすく、ほのかに酸味と渋味も加わります。

ナラ

燻製の「色」をつけるタンニンが多く含まれているので色づきがいいことが特徴です。香りがすっきりとしていてほのかに渋みが加わるので大人な味に仕上げたい時にオススメです。

ウィスキーオーク

ウィスキーの熟成・貯蔵に使用していた古いオーク樽を粉砕して燻煙材にしたものです。ウィスキーの甘くフルーティな香りで高級感のある仕上がりが特徴。お酒によく合う味わいになります。

ブレンド

ブレンドは文字通り、複数の種類をブレンドしたものになります。香りや味わいは販売している種類にもよって異なりますが万人受けする仕上がりになっているため燻製初心者にオススメです。

おすすめの燻製器

おすすめポイント!

●2段式でたくさんの食材が燻製できる

●鍋型なのでお手入れがしやすい
●収納ケース付きで持ち運びが簡単
おすすめポイント!

●筒型なので卵以外にも魚など長物を燻製できる

●鉄製なので熱伝導率がよく弱火でじっくり燻製できる
●温度計付きで温度管理がしやすい
おすすめポイント!

●筒型ながらも高すぎないので持ち運びしやすい

●上段下段に目の細かさが違う網がついている
●風窓付きで空気調整がしやすい
おすすめポイント!

●メスティンのような形状で薄く持ち運びしやすい

●シンプルな構造でパーツが少ないので手入れがしやすい
●スモーカー以外の用途にも使うことができ汎用性が高い
おすすめポイント!

●BBQコンロや焚き火の上におくだけで手軽に燻製ができる

●小さいドラム缶のような形状はコンパクトでかさばりづらい
●パーツが少ないので手入れが簡単
おすすめポイント!

●おかもちのような形状で折りたたみができるのでコンパクト

●間口が大きいので食材のセッティングが簡単
●コンパクトなので容量が大きい

▼おすすめの燻製器はこちら!

くんたまを楽しもう!

燻製の様子と燻製卵のコラージュ

燻製卵は手間がかかって奥が深いですが、うまく出来上がって食べるとその感動もひとしおです。専用の道具がなくてもフライパンがあれば作ることができるので次のキャンプでトライしてみてはいかがでしょうか。

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